Earth “Earth 2: Special Low Frequency Version”
アース 『アース2: スペシャル・ロー・フリークエンシー・バージョン』
発売: 1993年2月3日
レーベル: Sub Pop (サブ・ポップ)
ワシントン州オリンピアを拠点に活動するドローン・メタルバンド、アースの1stアルバムです。本作は、同じワシントン州のシアトルに居を構えるサブ・ポップからのリリース。
ドラムが無く、ギターの歪んだサウンドが空間に広がっていくようなアルバム。ビートが無いため、自ずとサウンドが前景化されます。ハードロック的な意味での重厚なサウンドとも違う、リズム的にもサウンド的にも重い、ギターによる重低音のリフが繰り返されます。3曲収録で、73分というボリュームの1作。
タイトルにも「Special Low Frequency Version」とあるとおり、沈み込むような低音が響く作品です。3曲目の「Like Gold And Faceted」にはパーカッションが入っていますが、基本的にドラム・レスでビート感がありません。
ですが、リフのかたちは比較的つかみやすく、音程の動きがほとんどないドローンというわけではないので、この種の音楽を聴いたことが無い方にも、入りやすい1枚なのではないかと思います。
万人におすすめできる作品ではありませんが、オルタナとグランジを代表するレーベルであるサブ・ポップから発売されたのも納得できるほどには、サウンドとリフにいわゆるオルタナの雰囲気が感じられる1枚です。
逆に言うと、そこまでノイズまみれでもなければ、圧倒的な爆音でも、ミニマルなドローンでもないので、極北の音楽を求める方には、物足りなく感じられるかもしれません。
僕はこのジャンルの音楽をメインに聴いている者ではありませんので、本作のかっこいいリフと、ほどよいアンビエントさが、ちょうどいいです。