Loose Fur “Born Again In The USA” / ルース・ファー『ボーン・アゲイン・イン・ザ・USA』


Loose Fur “Born Again In The USA”

ルース・ファー 『ボーン・アゲイン・イン・ザ・USA』
発売: 2006年3月21日
レーベル: Drag City (ドラッグ・シティ)

 ジム・オルークとグレン・コッチェ、ウィルコのジェフ・トゥイーディによるバンドの2ndアルバムであり、最後のアルバム。グレン・コッチェは、後にウィルコに加入することになります。

 『Born Again In The USA』という示唆的なタイトルを持った本作。その名のとおり、古き良きロックンロールや、フォークやカントリー等のルーツ・ミュージックを下敷きにしながら、それだけにとどまらないアレンジとアンサンブルが展開されるアルバムです。ジム・オルークとウィルコが融合した作品だと思えば、納得できる音楽性。

 1曲目の「Hey Chicken」は、イントロからディストーション・ギターが鳴り響き、シンプルなロックンロールが炸裂する1曲です。しかし、縦のぴったり揃ったアンサンブルや、フックとなる効果的な楽器の重ね方など、ウィルコっぽさを感じさせる部分もあり。

 2曲目「The Ruling Class」は、緩やかにグルーヴしていくカントリー風味の1曲。口笛の音色も牧歌的な空気を色濃くしています。

 4曲目「Apostolic」は、ポストロックやマスロックを思わせる、リズムが周期的に切り替わる、緻密なアンサンブルが特徴の1曲。インストでもおかしくない雰囲気ですが、歌が入ってきて、ポップ・ミュージックの枠組みも備えています。再生時間0:56あたりからのメロディアスなベースと、流れるようなアコースティック・ギターなど、聴きどころとなるフックが、続々と放たれます。

 5曲目「Stupid As The Sun」は、シンプルな縦ノリのリズムと、意外性のあるコード進行が融合した1曲。イントロからの第一印象はシンプルなロック色の強い曲ですが、違和感が耳に引っかかり、クセになっていく曲です。

 8曲目「Thou Shalt Wilt」は、キーボードとベースが前に出た、立体的な音像を持った1曲。

 前述したとおり、一聴するとシンプルなロックンロールに聞こえるような曲にも、いたるところに音楽的なフックが配置されていて、聴けば聴くほどに魅力が増していく作品です。

 僕はジム・オルークもウィルコも大好きなのですが、期待を裏切らない1作。両者のどちらかが好きな方は、聴いておいて損はない作品だと思います。そうではない方にも、十分オススメできる1作!

 





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