Mates Of State “My Solo Project” / メイツ・オブ・ステイト『マイ・ソロ・プロジェクト』


Mates Of State “My Solo Project”

メイツ・オブ・ステイト 『マイ・ソロ・プロジェクト』
発売: 2000年6月15日
レーベル: Omnibus (オムニバス), Polyvinyl (ポリヴァイナル)

 カンザス州ローレンス出身の夫婦デュオ、メイツ・オブ・ステイトの1stアルバム。2000年にOmnibusというレーベルから発売され、その後2003年にPolyvinylから再発されました。メンバーは、ボーカルとキーボード担当のコリ・ガードナー(コリ・ハメル)と、ボーカルとドラム担当のジェイソン・ハメルの2人。

 ポップだけど、サウンドにはジャンクな雰囲気も併せ持ち、多彩なアンサンブルが展開されるアルバムです。いい意味でラフな部分を残したコーラスワークと、キーボードの音色が印象的。楽曲によって鍵盤を、ピアノであったり、シンセサイザーであったりと、巧みに音色を使い分け、作品に彩りをプラスしています。

 非常にポップなアルバムでもあるのですが、ロック的なグルーヴ感とラフな魅力も同居する、良作だと思います。

 2曲目の「Proofs」は、イントロから空間に滲んでいくようなキーボードの音色と、立体的で臨場感あふれるドラムのバランスが絶妙。その後のラフな雰囲気のコーラスワークも良い。その裏でフリーな雰囲気で弾いているキーボードも良いです。

 この曲は、徳島出身の日本のロックバンド、チャットモンチーがライブのオープニングSEに使用し、「夢みたいだ」というタイトルで日本語詞をつけカバーしたこともあります。(シングル『ハテナ/夢みたいだ』に収録)

 3曲目「What I Could Stand For」。この曲も、キーボードの暖かみのある音色が良いです。リズム隊とキーボードが機能的に絡み合うアンサンブルを構成し、その上にコーラスワークが乗ります。再生時間0:58あたりからのキーボードのフレーズと音色もアクセントになり、楽曲を多彩にしています。

 5曲目「Nice Things That Look Good」は、イントロから、どこかノスタルジックなサウンド・プロダクション。どこまでが生楽器で、どこまでが電子楽器なのか分かりませが、サウンドに統一感があります。歌が入ってきてから、奥の方で小刻みにリズムを刻むドラムも、邪魔をせず控えめにアンサンブルを引き締めています。

 6曲目「A Control Group」は、キーボードの音色がジャンクで、ドラムもパワフル。少し前のめりになるようなグルーヴ感もあり、ロック的なノリの良さがある1曲です。めちゃくちゃかっこいい!

 7曲目「Throw Down」。臨場感のあるドラムのサウンドと、高音域のキーボードのバランスが良く、印象的なイントロ。歌が入ってきてからは、随所にキーボードがフレーズを差し込んでくるのですが、それが全てフックになっています。

 8曲目「I Have Space」は、バンド全体が緩やかに躍動していく1曲。それぞれの楽器が少しずつ推進力を持ち寄るような、有機的で心地よいアンサンブル。再生時間1:17あたりからピアノだけになる部分など、1曲の中でのコントラストもあります。

 9曲目「Everyone Needs An Editor」は、倍音たっぷりのキーボードと、立体的に響くドラムが絡み合い、加速と減速を繰り返す緩急が鮮やかな1曲。

 10曲目「Tan/Black」。この曲もキーボードの音が太めで、倍音たっぷり。再生時間2:10あたりからのキーボードの、音程が狂ったようなアレンジも、アクセントになっていてかっこいいです。

 アルバム全体を通して、キーボードの音が曲によって効果的に選択されていて、楽器の数は少ないのに、多彩な印象を与えるアルバムです。

 少し隙があるというか、ラフな魅力を持ったボーカルとコーラスワークも、楽曲に奥行きをもたらしていると思います。ジャンクな雰囲気や実験性を、違和感なく溶け込ませるセンスも抜群。

 2ピース・バンドってたまにいますけど、このメイツ・オブ・ステイトも大好きです! 同じく2ピースのドードースや、2人体制のチャットモンチーも好きなので、僕は2ピースが好きなのかも。

 





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