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LCD Soundsystem “LCD Soundsystem” / LCDサウンドシステム『LCDサウンドシステム』


LCD Soundsystem “LCD Soundsystem”

LCDサウンドシステム 『LCDサウンドシステム』
発売: 2005年1月24日
レーベル: DFA

 ニューヨーク市ブルックリン出身のダンス系ロックバンド、LCDサウンドシステムの1stアルバムです。

 独特のドタバタ感、親しみやすいジャンクな耳ざわりもありながら、躍動感あふれるダンス・ミュージックが展開する1作。

 アルバムの幕を開ける1曲目は「Daft Punk Is Playing At My House」。まずタイトルが最高(笑) そのタイトルどおりと言うべきなのか、家でダフト・パンクがプレイしているかのごとく、ダンサブルかつグルーヴ感あふれる音楽が溢れ出します。

 いちいちリズムにフックしかないような、耳と体が楽曲につかまれる1曲です。再生時間2:51あたりからのローファイな空間を漂わせる鉄筋のような音も、アクセントになっていて良いです。

 2曲目の「Too Much Love」は、バウンドするようなリズムが、イントロから気持ちいい1曲。ボーカルは感情を排したような淡々と歌い方ですが、楽曲自体は次々と音が増え、立体的なリズムを形成していきます。再生時間3:30あたりからの多層的なリズムがたまらない。

 6曲目「On Repeat」は、ミニマルなリズムからスタートし、次々と音色とリズムが増殖していく展開。LCDサウンドシステムのひとつの得意なフォームですが、段階的に音が重なり、音楽にフックが増えていく流れが、本当に秀逸。

 7曲目「Thrills」は、ややアンビエント色の強い音像を持った1曲。しかし、持続していく音とドラムのビートが重なり、加速感を演出していく展開はさすがだと思います。

 8曲目の「Disco Infiltrator」は、サウンドとリズムが一体化して、音楽を加速させていくような曲。音響とリズムが等価であるような、不可分であるような、有機的なリズム感があります。

 ドラムだけではなく、アンサンブル全体でリズムを作り上げていくところが、このアルバムの魅力だと思います。加速感やグルーヴ感の生み出し方が斬新で、本当に新しいダンス・ミュージックと言えるんじゃないでしょうか。

 サウンドにはインディーらしさを感じる、ジャンクな要素も入っているところがいいと思います。