Calexico “Carried To Dust” / キャレキシコ『キャリード・トゥ・ダスト』


Calexico “Carried To Dust”

キャレキシコ 『キャリード・トゥ・ダスト』
発売: 2008年9月9日
レーベル: Quarterstick (クォータースティック)
プロデュース: Craig Schumacher (クレイグ・シューマッハ)

 アリゾナ州ツーソンを拠点に活動するバンド、キャレキシコの6枚目のスタジオ・アルバムです。

 生楽器を用い、フォークやカントリーなどのルーツ・ミュージックを多分に感じさせるサウンド・プロダクション。ですが、アンサンブルにはルーツの焼き直しには留まらない、モダンな要素も併せ持ったアルバムです。

 5曲目の「Writer’s Minor Holiday」は、音数がギチギチに詰め込まれているわけではないですが、各楽器が有機的に絡み合い、緩やかにグルーヴしていく1曲。アコースティック・ギターの音が中心に据えられていますが、コーラス・ワークや随所に挟まれるエレキ・ギターのフレーズが、カントリー色を薄め、モダンな雰囲気をプラスしています。

 6曲目の「Man Made Lake」は、生楽器を中心としていますが、イントロでのエフェクト処理など、実験的な要素もあります。各楽器が絡み合う一体感のあるアンサンブルが展開されます。再生時間1:06あたりからの鉄琴のような音がアクセント。

 7曲目「Inspiracion」は、民謡のような、民族音楽のような雰囲気の1曲。しかし、ところどころノイズ的な音やファニーな音を散りばめ、バランスを取るところが彼ららしい。

 8曲目「House Of Valparaiso」は、アコースティック・ギターとドラムが中心の、楽器の数が絞られた1曲ですが、手数が少ないながらも立体的にリズムを刻むドラムが、楽曲全体にも奥行きを与えています。

 12曲目「Fractured Air (Tornado Watch)」は、アコースティック・ギターがフィーチャーされ、一聴するとフォーキーな耳ざわりの曲ですが、エレキ・ギターのカッティングや全体のやや複雑なアンサンブルが、フォーク色を薄めカラフルな印象をプラス。再生時間2:05あたりからの展開など、ポストロックを感じさせる現代的な空気も共存しています。

 フォーク、カントリー、民族音楽など多種多様なルーツ・ミュージックを感じさせながら、モダンな空気も併せ持ったアルバムです。

 一聴するとフォークやカントリーを彷彿とさせる楽曲群ですが、ちょっとしたサウンドやアレンジを足すことで、全体のルーツくささを抑え、モダンな雰囲気に仕上がっていると思います。

 ウィルコ(Wilco)等のいわゆるオルタナ・カントリーよりも、一聴するとルーツ色の濃いサウンドですが、ちょっとした音やアレンジのエッセンスでオルタナ感を演出しており、こちらのバランス感覚も好きです。

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