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Lightning Bolt “Ride The Skies” / ライトニング・ボルト『ライド・ザ・スカイズ』


Lightning Bolt “Ride The Skies”

ライトニング・ボルト 『ライド・ザ・スカイズ』
発売: 2001年2月18日
レーベル: Load (ロード)
プロデュース: Dave Auchenbach (デイヴ・オーチェンバック)

 ロードアイランド州プロヴィデンス出身の2ピース・バンド、ライトニング・ボルトの2ndアルバム。前作に引き続き、地元プロヴィデンスのインディペンデント・レーベル、ロードからのリリース。

 ジャンルとしては「ノイズ・ロック」や「エクスペリメンタル」にカテゴライズされることの多いライトニング・ボルト。ベースとドラムの2名という編成とは思えない、攻撃的なサウンドが炸裂します。

 ノイジーに暴走していた1stアルバムから比較すると、本作はより音楽的になったと言えます。部分的に整然とし、テクニックがより前景化されて、マスロック色が強まったと言っても良いでしょう。

 1曲目「Forcefield」は、音符が密集し、圧縮されたようなフレーズが、波のように一定のペースで押し寄せる1曲。サウンドもハードロック的な硬質さを持ち、ロックが喚起するエキサイトメントが凝縮されたように感じられます。

 2曲目「Saint Jacques」は、ほとんど隙間なく打ちつけられるドラムのリズムに、ベースも加わり、分厚い音の壁を作り上げる1曲。

 3曲目「13 Monsters」は、タイトで立体的なドラムに、ノイジーなベースが絡み合う、疾走感の溢れる1曲。

 4曲目「Ride The Sky」では、ベースの音をエフェクターで持ち上げたのか、ノイジーでジャンクな高音域を使ったフレーズと、前のめりに疾走するドラムの高速ビートが重なり、凄まじいスピード感を生み出す1曲。

 5曲目「The Faire Folk」は、このバンドにあっては珍しく、各楽器ともナチュラルでクリーンな音作りで、タイトで正確無比なアンサンブルが繰り広げられる1曲。各楽器とも淡々と正確なプレイを続け、マスロック色の濃い演奏を展開。再生時間2:22あたりから、ディストーション・サウンドが加わるアレンジも、コントラストが鮮やか。

 6曲目「Into The Mist 2」は、手数の多いフリーなドラムと、ノイズ的な奇妙なサウンドが飛び交う、アヴァンギャルドな1曲。

 8曲目「Rotator」は、エフェクトが深くかけられたジャンクで金属的なサウンドと、小刻みにリズムを叩くドラムが、タイトなアンサンブルを構成する1曲。サウンドはエキセントリックですが、演奏は正確でタイト。ピッタリと合わせる部分と、ラフにぶちまける部分がはっきりしており、ダイナミズムの大きい曲です。

 アルバムを通して、凄まじいテンションで、爆発的なアンサンブルが繰り広げられる1作です。ヴァーストコーラスが循環するような、一般的な意味でのポップな構造を持った音楽ではありませんが、全くつかみどころの無い、敷居の高すぎる音楽かというと、そうではありません。

 リフが持つ耳に引っかかる魅力、テクニカルなプレイを聴く爽快感、高速ビートによる疾走感、サウンド面でのハードなかっこよさなど、ロックという音楽が持つ魅力が断片的に、しかし高濃度に圧縮された形で散りばめられており、一度その魅力にハマると、とことんハマってしまう音楽です。

 ただ、全く受け付けないという人もいるので、誰にでもおすすめできるわけではありませんが、少しでも気になった方には、是非とも聴いていただきたいです。

 





Lightning Bolt “Lightning Bolt” / ライトニング・ボルト『ライトニング・ボルト』


Lightning Bolt “Lightning Bolt”

ライトニング・ボルト 『ライトニング・ボルト』
発売: 1999年
レーベル: Load (ロード)
プロデュース: Dave Auchenbach (デイヴ・オーチェンバック)

 ロードアイランド州プロヴィデンス出身、ドラムのブライアン・チッペンデール(Brian Chippendale)と、ベースのブライアン・ギブソン(Brian Gibson)からなる2ピース・バンド、ライトニング・ボルトの1stアルバム。

 地元プロヴィデンスが拠点のエクスペリメンタル系のインディー・レーベル、Load(ロード)からのリリース。

 ドラムとベースのいわゆるリズム隊のみという編成も特異ですが、音楽性はさらにエキセントリック。ハードコアの先進性と、ヘヴィメタルの硬質なサウンドの攻撃性が、凝縮され抽出されたような音楽が展開されます。

 一般的な意味では、全くポップではありませんが、音楽の尖った部分のみを取り出したようなサウンドが、ある人にとってはフックとなり、クセになるでしょう。

 1曲目「Into The Valley」は、叩きつけるようなドラムの高速ビートと、ノイジーなベースが疾走する1曲。リフやコード進行のような、わかりやすい構造は存在せず、ただただノイジーに疾走していく演奏は圧巻です。

 2曲目「Murk Hike」は、前のめりに暴走するイントロから始まり、その後は一定のリズムが繰り返される1曲。

 4曲目「Fleeing The Valley Of Whirling Knives」は、ここまでのアルバムの流れの中では、最も曲らしい構造を備えた1曲。ドラムはタイトにリズムを刻み、ベースは音色は激しく歪んでいながら、ハードロックのようにリフを弾き、サウンドとリズムが一体となったかっこよさがあります。ただ、後半はやや加速するなど変化はあるものの、10分を超える曲の中でミニマルにリフが繰り返されるため、やはりある程度はリスナーを選ぶ曲だと言わざるを得ません。

 5曲目「Mistake」は、もはや原音がはっきりしないレベルまで歪んだベースが、空間を埋め尽くす1曲。ベースの奥で聞こえる金属的な音色のドラムも含め、非常に耳障りなサウンド・プロダクション。

 6曲目「Zone」は、32分を超える大曲。形を変えながら、ひたすら嵐のようなサウンドが吹き荒れる、ノイズ絵巻。しかし、随所にフックとなりそうなリフらしき断片やリズムがあり、一部の人にとってはたまらない1曲でしょう。僕は…体調が良いときでないと、聴く自信がありません。聞き流しやBGMには全く向かない質の音楽です。

 7曲目の「And Beyond」は6曲目に続き、こちらも14分を超える長尺の1曲。ドラムとベースが塊となって絡み合いながら、リスナーへと迫ってきます。

 耳障りで、この手の音楽を聴かない人からしたら、ノイズにしか聞こえない音の詰まった本作。しかし、疾走感や硬質でソリッドな音色など、ロックが持つ攻撃性を極限まで尖らせたそのサウンドには、かっこいいと思える部分が随所にあります。

 正直、万人にオススメはしがたい音楽ですが、ハードでポストな音楽を求める方は聴いてみては。